52: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:00:55.38 ID:G9OiTGlK0
智香「それじゃあアタシは、もう 伸びしろはないんですかっ?」
P「若林さんは……いや、神谷さんや荒木さんはそろそろ売り出しに入る予定だ」
比奈「えっ!?」
53: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:01:47.45 ID:G9OiTGlK0
奈緒「……え?」
比奈「きゃ、キャッチコピー……っスか?」
智香「あ、アイドルにもキャッチコピーってあるんですかっ?」
54: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:02:22.65 ID:G9OiTGlK0
蓮実「どんなキャッチコピーなんですか!? 私のキャッチコピーは」
P「『再新鋭のレトロアイドル新発売』……どうだ?」
奈緒「えっと……」
55: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:03:48.50 ID:G9OiTGlK0
智香「アタシ達には、そういのないんですかっ?」
P「俺は3人の担当じゃないが……そうだな『ツンデレ寒地荒原』と『ジャージド・ドレスコーデ』と『月夜の番ばかりじゃない娘』とか……どうだ?」
奈緒「却下!」
56: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:04:45.00 ID:G9OiTGlK0
P「さて、まずは現場での仕事となる」
比奈「お、どんな仕事っすか?」
57: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:05:14.36 ID:G9OiTGlK0
蓮実「この上に乗って、歌うんです。まだ誰も気にかけない……それでも必死に歌う……下積みからのスタートですね!」
P「大変だったんだぞ。今の時代、なかなか木のみかん箱が見つからなくてな!」
比奈「……どうにもあの2人のノリについていけない部分があるっスよね」
58: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:07:59.84 ID:G9OiTGlK0
蒲田にあるショッピングセンターの屋上には、観覧車がある。
本当はデパートの屋上でのミニコンサートもいいかと思ったが、今の時代なかなかそういう場所はない。
池袋と吉祥寺には今もデパートに屋上遊園地があるにはあるが、それに固執するのも問題があるかも知れないと思い直し、選ばなかった。
蓮実は、今の時代のレトロプリンセスなのだ。あの時代を踏襲しつつ、今の在りようの中で活躍をさせてやりたい。
観覧車前にポツリと置かれたみかん箱と、スタンドマイク。そしてその前に並べられたパイプイス。
59: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:08:34.83 ID:G9OiTGlK0
取材らしき人もいることはいる。とは言ってもカメラだけを抱えた人が1人だけ。
蓮実「じゃあ……行ってきます」
P「ああ。ここで見ている」
60: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:09:13.75 ID:G9OiTGlK0
蓮実「ごめんなさい。私ったら初めてで緊張しているみたいです。では改めまして、まずは聞いて下さい。『サヨナラ夏休み』です」
P「なに!?」
予定と違う!
61: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:11:02.68 ID:G9OiTGlK0
懐かしい曲だ。この歌は、昔担当していた……
P「あ!」
遅ればせながら、俺は客席にいる女性が誰であるかを悟った。いや――なぜ気がつかなかったのか。やはり俺の脳味噌は、錆び付いているに違いない。
62: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:11:43.57 ID:G9OiTGlK0
P「あの娘は……気に入らんだろうな……」
嫌な予感ほど的中する。
客席の女性は、帽子とサングラスを外すと立ち上がった。
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