61: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:11:02.68 ID:G9OiTGlK0
懐かしい曲だ。この歌は、昔担当していた……
P「あ!」
遅ればせながら、俺は客席にいる女性が誰であるかを悟った。いや――なぜ気がつかなかったのか。やはり俺の脳味噌は、錆び付いているに違いない。
蓮実「期待していたのよ♪
気になるアナタ、鳴らない電話♪
夢見ていたのよ♪
2人ですごす南の島を♪」
昔、俺が担当していた……そして最後に担当し、なおかつ一番売れた娘の持ち歌。
しかも、それだけじゃない。
その娘が、初めて作詞をした歌だ。
少し恥ずかしそうに、それでいて期待を込めた瞳で俺に手書きのノートを見せてきた、あの娘……
蓮実「バイバイ夏休み♪
私の夢よ、サヨナラ♪」
蓮実の歌は、本物だ。
そして何より、大好きなあの時代の歌だ。
それを自分の歌のように、歌いこなしている。
まばらな観客も、次第に手拍子を入れてくれ始めている。
席に着いていない通行人も、何人かが「おや?」という表情で立ち止まって蓮実を見ている。
俺と蓮実が「こうなるといいな」と考えていた、理想の形だ。
だが俺は、苦い顔をした。
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