63: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:49:45.63 ID:yU6CR/tX0
「ね、ね、指を出してっ」
「?……はい」
64: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:50:19.36 ID:yU6CR/tX0
◇
65: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:50:45.36 ID:yU6CR/tX0
「喜多見が大きいな、やっぱり」
「センターが変わるたびに違う色を見せてくれると思っていたが、今度はなんていうんだろうな」
66: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:51:22.98 ID:yU6CR/tX0
「あ、あれは喜多見が最後まで話を聞かないのが悪いだろう!」
「えっ、えっ、ご、ごめんなさいっ」
67: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:52:07.98 ID:yU6CR/tX0
「まぁ、いい。喜多見には喜多見の立ち方ってのがきっとあるんだ」
「周りをよく見ているし、合わせるのはもともと上手い」
68: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:52:40.48 ID:yU6CR/tX0
◇
69: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:53:07.83 ID:yU6CR/tX0
「柚ちゃん、大丈夫ですか?」
声出し部屋から戻ってきた肇チャンが隣に座って声をかけてくれる。後ろには悠貴チャンも、美世サンもいる。
70: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:53:35.42 ID:yU6CR/tX0
4人で並んで座って前を向けば、モニターからはひときわ大きな歓声があがった。みんなが入れ替わり立ち替わり、出番を迎えて控室を出たり、入ったりする。その間にもボルテージはどんどんあがっていく。いつも以上にみんな張り切ってるのかもしれない。ペンライトもコールもどんどん揃って、今までのどんなライブよりも最高を更新していく。アタシたちの出番は近づいていく。
「Four Wind Colorsのみなさん、舞台袖までお願いします」
71: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:54:02.83 ID:yU6CR/tX0
みんながセンターをしてくれたときはどうしてたんだっけ。こんなときアタシがもっと頼りがいのある人だったら、マジメで全力な人だったなら、でもそんな「もしも」はもう必要ないんだってすぐに分かった。みんなが教えてくれたアタシはどんなことをするんだろうって考えて、舞台袖で待っているプロデューサーサンと目が合う。様子にすぐ気付いたプロデューサーサンが声をかける前に、アタシの声が先に届く。
「舞台袖って英語でなんて言うか知ってる?」
72: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:54:29.20 ID:yU6CR/tX0
アタシは翼を広げるポーズをとった。肇チャンと悠貴チャンは顔を見合わせて、そして同時に吹き出した。舞台袖に控えめだけど緊張も溶かすような確かな笑い声が響いて。それが落ち着いたら自然と全員が円を作ってくれた。
声をかけるのはたぶんアタシ。だから教えてもらった大切なことを繰り返す。
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