喜多見柚「フライバイ」
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23: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:27:37.08 ID:yU6CR/tX0


 みんなにとってのトクベツがどこかにあるんだってことをアタシはまた目の前で見送るだけなんだろうか。好まれるような強くて優しいヒトじゃないのは、そして、どやってできるなにかがないのは、どうしてだっけ。

 アタシにとってセンターは眩しいスポットライトのあたる場所。トクベツなヒトのための場所だ。
以下略 AAS



24: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:28:04.14 ID:yU6CR/tX0





以下略 AAS



25: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:28:32.73 ID:yU6CR/tX0


 プロデューサーサンの顔を見続けていたら、なんだかいろんなものが揺らいじゃうような気がして、給湯室へとさっと逃げる。やかんのお湯が沸くのを肘をついて眺めていることに気付いてこれは重症だって苦笑いをした。お揃いの模様で並んだマグカップ。お湯をどれだけゆっくり、ゆっくり注いでも、あっという間に終わってしまう。時間稼ぎにはどうやらなってくれないらしい。

「はいっ、コーヒーお持ちっ!」
以下略 AAS



26: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:28:58.96 ID:yU6CR/tX0


「ちょっと待って、待ってっ」

「ん、いつまでも待つよ」
以下略 AAS



27: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:29:27.43 ID:yU6CR/tX0


 楽しいことがあっても、前髪とパーカーで隠して、袖で見ているだけの女の子。前髪をぱっつんにしたのは変わろうと思ったからだっけ。袖で見ているのは変わらないまま、でも楽しい雰囲気を味わうことはできるようになった。

 アタシだってトクベツになりたいよ、プロデューサーサン。現実と理想の間をふらふらと歩いてきたアタシにとって、マジメで全力なことは眩しすぎる。ずっと怖くて逃げてきたことだけれども、変われるなら変わってみたいんだ。
以下略 AAS



28: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:29:56.00 ID:yU6CR/tX0


「あのね……」

 最初の一言が思ったよりも弱々しくて慌てて取り繕ってしまう。これじゃ心配されちゃう、ダメダメっ。
以下略 AAS



29: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:30:57.14 ID:yU6CR/tX0





以下略 AAS



30: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:31:24.19 ID:yU6CR/tX0


「柚さんが一緒に走ろうって言ってくれるなんてっ、嬉しいですっ!」

「この前は駅伝のお誘い断っちゃったし、それにちょっとねっ」
以下略 AAS



31: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:31:57.31 ID:yU6CR/tX0


 ふたりの笑い声が白くゆらめく呼吸と一緒に朝焼けの空に響く。ゆっくりと走り出せば、悠貴チャンはペースを合わせてくれる。部活のときはもっとだらっとみんなで走ってるなーなんて反省すれば、なんだか今の自分が熱血漫画の主人公になったような気分になる。いやいやいや、それはアタシのキャラじゃないっ。

 「センターのこと、受けられたんですねっ」
以下略 AAS



32: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:32:24.55 ID:yU6CR/tX0


「んー」

 悠貴チャンのどうなんだろうという小さな呟きは足音にかき消されてしまいそうだった。だからアタシは答えるのをやめてしまう。アタシのイメージするセンターと、悠貴チャンのイメージするセンターは少し違うのかもしれない。これはアタシが無事にセンターを務められたら聞いてみようと思う。
以下略 AAS



33: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:33:03.90 ID:yU6CR/tX0





以下略 AAS



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