【たぬき】小日向美穂「令和狸合戦ぽんぽこひなた 〜さらわれたPさんを追え〜」
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108: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:25:24.37 ID:SQAfR/tb0


「一人娘の龍崎薫です。親の欲目を差し引いても、見事なものでございましょう」


以下略 AAS



109: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:26:15.11 ID:SQAfR/tb0

「う……ぁの……」

 娘さん――薫ちゃんは、りんごみたいに赤い頬をぺたぺた撫でながら、伏し目がちに俺を見上げる。
 はっきりとした太めの眉は、今は困ったようなハの字に下がり、どうしていいかわからないといった風だ。
以下略 AAS



110: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:27:00.08 ID:SQAfR/tb0

 厳かに腕を組み、龍崎氏は断言する。


「たぬき界にて雄が雌の尻尾を強く掴むことは、『お前を嫁に貰う』という意味を持つのです」
以下略 AAS



111: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:28:08.85 ID:SQAfR/tb0

 あれこれ言い合う俺と龍崎氏を、娘の薫ちゃんは交互に見比べていた。
 やがて、ぽっ、ぽぽぽっ、とその頬が赤みを増し、

「だ、だめ〜〜〜〜〜〜っ!! やっぱり恥ずかしいよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
以下略 AAS



112: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:28:53.59 ID:SQAfR/tb0


「改めまして――龍崎家ならびに本村のたぬき一同、貴殿を薫の婿殿として迎え入れようと」

「お断りします」
以下略 AAS



113: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:30:07.47 ID:SQAfR/tb0

「――それに当方とて、なにも考え無しの決定ではございません。
 いかに掟といえど、どこの馬の骨とも知れぬ凡夫に娘をやる決定など致しませんとも。
 まして伊予は久万山、いや四国、いや日ノ本に不世出の天稟を持つ、薫ほどのたぬきを」

以下略 AAS



114: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:32:23.19 ID:SQAfR/tb0

「やはり。婿殿、貴殿はなにやら奇天烈な匂いを漂わせていなさる」
「えっ臭いっすか。昨日ちゃんと洗ったんですが……」
「温泉の芳香でも打ち消せぬ、体中に染み入った類まれなるものどもの香りが……」

以下略 AAS



115: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:34:21.67 ID:SQAfR/tb0

 戦慄した。
 嗅いだだけでここまでわかるものか。
 今なお鼻をふんふんヒクつかせる配下のたぬきたちが、ぽこぽこ龍崎氏に何かを訴えている。
 おそらく一匹一匹が俺を嗅ぎ、気付いたことを逐一報告しているのだ。
以下略 AAS



116: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:36:23.92 ID:SQAfR/tb0

「儂らは狐を好きません。四国では弘法大師様のお導きもあり、彼奴らを一匹残らず追い出すことに成功しましたが、奴らは悪賢い。
 特に京都の狐などは最悪です。悪知恵が働く上に性格がしこたま悪い。なれど、彼奴らの化け力だけは、認めざるをえません」

 龍崎氏は黒々とした顎髭を撫でさすりながら、まるで見てきたように続ける。
以下略 AAS



117: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:37:49.94 ID:SQAfR/tb0

「ご覧の通り、我が村は人間社会と深く関わりを持ちます。儂は時代の流れに従い、人とたぬきの血を混ぜ合わすもやぶさかではないと考えておりましてな。
 であれば相手もまた、ただの人であってはならない。そこに現れたのが婿殿、貴殿のような奇妙奇天烈な客人(まろうど)というわけです。
 薫はまだ子を成せる歳ではありませぬが、色々な意味で将来有望と確信しております。いかがですかな?」

以下略 AAS



118: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:39:03.38 ID:SQAfR/tb0

   ○


 驚いたことに、普通〜に解放された。
以下略 AAS



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