【たぬき】小日向美穂「令和狸合戦ぽんぽこひなた 〜さらわれたPさんを追え〜」
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116: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:36:23.92 ID:SQAfR/tb0

「儂らは狐を好きません。四国では弘法大師様のお導きもあり、彼奴らを一匹残らず追い出すことに成功しましたが、奴らは悪賢い。
 特に京都の狐などは最悪です。悪知恵が働く上に性格がしこたま悪い。なれど、彼奴らの化け力だけは、認めざるをえません」

 龍崎氏は黒々とした顎髭を撫でさすりながら、まるで見てきたように続ける。


「あの結界は我らたぬきが総出になっても真似できぬもの。まして破るなどは夢のまた夢、互いに関わりを持たずにいるべし……
 と、思っていたところに、これです。
 晴明公、はたまた稲生様の生まれ変わりの豪傑でも現れたかと色めき立ったものですが、事実は真逆。
 配下もはっきりと掴めてはおりませぬが、少数の人間とたぬき、あとは片手で足りるばかりの物の怪どもの仕業のようだと」


 下手なことは言えない。
 と黙っていたのが裏目に出た。龍崎氏は、俺の顔から片時も目を離さない。

「……心当たりがおありのようですな」

 やっぱりこいつ、かなりの食わせ者だ。
 熊本の海老原一家、京都の小早川家と違い、敵意というものが最初から無い。
 むしろ歩み寄る姿勢を見せているのが、かえってこれまでの相手と違う凄味を放っている。




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