46: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:09:12.02 ID:nY0iWbpOO
「なあ卯月。何やってんの?」
「見ての通り、雪ぴにゃこら太です! 肇ちゃん、陶芸やってるから雪だるま作るのも上手なんですよ」
「幼き頃から大雪が降ると祖父に雪だるまの作り方を教えてもらったものです」
「それじゃあ写真とりますね。はい、チーズ。良い笑顔です」
帰って来た3人を迎えてくれたのは雪遊びに興じるみんなだった。
「待っているだけだと退屈でありましたので! 吹雪もおさまったので折角だから遊んで気を紛らわそうって話になったのです」
とは亜季の談。まぁ、アイドルと言っても本質は10代の女の子。雪が降ればテンション上がるし雪だるまも雪合戦もやりたいよな。
「で、響子が作ったその……実に味のある雪状物体は」
「見ての通り、ねこですよ?」
「耳長くね?」
「ねこですよ?」
「……ねこですね」
「ねこでした」
時々俺たちの目と響子の目に映るものがちがうんじゃないかとホラーな気持ちになってしまう。
「それでプロデューサー殿。何か発見は」
「いや、何にもなかったよ。あったのはミニうえきちゃんくらいだ」
「そうですか……尚更芳乃殿の石像の存在が謎でありますね。私はこのような性分故、芸術には疎いのですが……何かを生み出すとき、そこには理由があるはずなんです。あの石像からはそれが読み取れませんな……」
一体誰が何のために? いや、そもそも「誰」と呼んでいい存在なのだろうか。たった一夜で冬と夏を行き来させ俺たちから時間という概念を破壊したそれの所業は、神と呼ぶにふさわしいまであった。
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