125: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 20:39:46.83 ID:nY0iWbpOO
「美穂! ……えっ?」
ぜぇはぁ息が切れながらもなんとか城の頂上まで辿り着いた俺を待っていたのは、眠り続ける美穂達だった。
「美穂が……たくさん?」
「簡単に返すわけがなかやろ!」
「! 夢邪鬼! 芳乃と戦っているんじゃ」
城の外では変わらず芳乃と鈴帆による怪獣大戦争が行われている。じゃああれはダミー!?
「全く依田の孫娘め……忌々しいことこの上ない……」
俺と同じ姿に変わった夢邪鬼は強い怒りを俺に向けている。
「見ての通り、ここには今沢山の小日向美穂がいる。さぁプロデューサー、君に本物の小日向美穂がわかるかな?」
いくつもの衣装を身に纏った美穂がショウウィンドウのマネキンのように並んでいる。それら夢邪鬼の作った繰り返される世界の中で着たものだ。可愛らしいピンクの衣装、妖しさすら覚える深紅の衣装、クールに決まった黒い衣装。それらに近づくたびに、美穂との思い出が博物館の映像展示品のように再生された。失敗も成功も全部、全部。
「制限時間は特にないけど……それまで依田の孫娘が持つかな?」
「芳乃!?」
城の外ではボロボロになりながらも鈴帆の猛攻を受け続ける芳乃の姿があった。炎で焼かれクリームに体を取られて倒される。何度も法螺貝を吹いて芳乃を応援していた肇も限界が来たのかグッタリとしている。
143Res/165.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20