124: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 20:37:59.13 ID:nY0iWbpOO
「悠貴! みんなを連れて避難するんだ!」
このままだとみんなが巻き込まれてしまう。俺以外で車を動かせられるのは悠貴だけ。もう法律がどうとか言ってる場合じゃない。彼女にみんなを託すことに決めた。
「ええ!? でもプロデューサーさんと芳乃さんがっ!」
「俺と芳乃なら大丈夫だ! 頼んだよ!」
「わかりましたっ! みなさん、車に乗ってください!」
「その前にプロデューサーさん、これを!」
「えっ?」
新しく生まれた凶悪顔のぴにゃこら太達を狙撃しながら藍子は何かを投げてきた。
「! これって」
「さっきの映像を見て思ったんです! 今が12月16日なら……これが鍵になるはず!」
「ありがとう、藍子!」
「しゃしぇんよ! 行くばい!」
落としてしまわないように強く持つ。その光景を横目で見た夢邪鬼はさらに大量のぴにゃこら太を召喚し、俺を仕留めようと命令をする。
「ぴにゃああああ!!」
「卯月!」
今この世界で一番大きな音を出そうってくらいの気合のこもったぴにゃ鳴き真似。車の窓から高らかに叫ばれた鳴き声にぴにゃ達は足を止める。
「今のうちに! プロデューサーさん、美穂ちゃんを絶対に! 取り返してくださいね! ぴにゃあ! ぴにゃあああ!!」
「みんな……! ありがとう!」
「そなたー、わたくしのことは気にせずー、なすべきことをー」
「美穂さんを、よろしくお願いします! 帰ったらケーキを皆で食べましょうね! ぶおおおおおお!!」
「肇さんの法螺貝の音でー、力が漲るのでしてーーー」
酸欠になることもお構いなしに肇は法螺貝を吹き続け、芳乃はさらに強大なオーラを見に纏う。
「! ああ、分かった! 必ず美穂を連れて帰る!」
俺が今なすべきことは一つだ。美穂が眠る城まで全速力で駆け抜けた。
143Res/165.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20