小日向美穂「グッバイ、ネヴァーランド」
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101: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 19:54:22.72 ID:nY0iWbpOO
「東京でもこんなに綺麗に星が見えるんですね。熊本の星空が恋しくなっちゃうな」

「仕事がひと段落したら、一度地元に戻ろうか。親御さん達も美穂の話聞きたいだろうし」

 年末年始は仕事が詰まって忙しいけど、それが終われば少しは時間が出来るはずだ。僅かな間でも地元の友達やご家族と過ごす時間を作ってあげないと。

「その時は」

「ん?」

「プロデューサーさんも一緒にいてくれると、嬉しいです。私が育った街とか、綺麗な星空とか。もっともっと、私のこと知って欲しいんです」

 周りの恋人達の真似をするように美穂は俺の身体に肩を寄せる。

「暖かい……。こうやっていたら、私たちも見えるんでしょうか? その、こ、恋人なんかに」

「見えるかも、ね」

「うぅ……恥ずかしいです……」

「ははは……」

 最初にしてきたのそっちやーん、と心の中でツッコミを入れてやる。

「じゃあ俺から、恥ずかしがり屋の恋人にプレゼントを……開けてご覧」

「は、はいっ」

 リボンをほどき箱を開けると中から2匹のクマさんが現れた。

「わぁ……! これ、かわいいです」

「加蓮にも手伝ってもらって選んだんだ。俺にしてはいいチョイスかなーって思うけど」

「最後にこんな素敵なプレゼントがもらえるなんて……今日は最高の日です!」

 そんなに喜んでもらえるなんて。くすぐったいけど嬉しいな。

「この子たちって恋人同士、なんでしょうか?」

「そうかもね」

 親子かもしれないし兄妹かもしれないしその逆かもしれない。だけど美穂はこの2匹の関係性にロマンティックを求めていた。それはきっと、この満天の星空がくれたムードのおかげなんだろうな。

「わっ」

「えへへ、恥ずかしいけど……ずっとこうしていたかったの」

「美穂……」

 俺の体に抱きつき甘える美穂を振り解くことが出来なかった。かわいくてずっと一緒にいた女の子に好意を抱かれているという事実は頭がクラクラするほど甘美で、同時に俺はこの子から離れられないと感じてしまった。



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