女「私、あなたのことが好きになってしまいました」
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4:名無しNIPPER[saga]
2019/12/11(水) 20:51:10.29 ID:IEuf6uP80
女「……」
彼女の視線は、ずっと僕に向かっていた。
男「あのさ、どうして好きになったの?」
5:名無しNIPPER[saga]
2019/12/11(水) 20:52:27.28 ID:IEuf6uP80
男「……でもまあ」
僕は彼女からストーブに視線を変えて、
男「好きでいてくれるだけで、嬉しいよ」
6: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 20:54:59.52 ID:IEuf6uP80
男「それを言うなら、僕だって女さんのこと好きだよ」
女「……」
彼女はまた、黙り込んだ。表情は微動だにしない。
7: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:00:11.56 ID:IEuf6uP80
クラスメイトが少しずつ集まってくる時刻になって、僕はストーブから離れた。
彼女も、僕に続いてストーブを離れ、そのまま自分の席に戻った。
行動も、特にいつもと変わらない様子だ。
8: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:01:33.09 ID:IEuf6uP80
いつも通り、学校が始まった。
12月。もうすぐ冬休み、という時期に入る。
僕は高校二年生の、普通の男子学生だ。
9: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:04:32.88 ID:IEuf6uP80
彼女は真面目で勤勉、そのため成績も優秀、運動もとびきりできるわけではないけれど、平均よりも上。
背中まで伸びる漆のような黒髪は、彼女の性格を表すようにクセなく真っ直ぐだ。
容姿も実に優れていて、男女ともに人気がある。
10: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:05:22.36 ID:IEuf6uP80
おまけに終業後は真っ直ぐ帰宅してしまうようで、どのような人なのかはほとんど謎である。
クラスメイトは彼女と仲良くしたくても、雰囲気に呑まれて声をかけられない、というシーンをよく目の当たりにする。
女「……」
11: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:08:10.46 ID:IEuf6uP80
午前の授業をこなして、もうすぐ昼の時間になろうとしていた。
チャイムが鳴ると同時に弁当を取り出す男子を尻目に、僕は売店に出向こうと席を立とうとしていた。
女「男さん」
12: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:11:48.44 ID:IEuf6uP80
男「今から売店でパンでも買おうと思ってたんだけど、女さんはお弁当だよね?」
女「はい。一緒に行ってもいいですか」
男「大丈夫だよ。でも結構混むから大変かも?」
13: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:16:34.91 ID:IEuf6uP80
売店に近づくにつれて、喧騒は更に大きくなる。
男「今日も激混みだなぁ」
女「……」
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