渋谷凛「これは、そういう、必要な遠回り」
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31: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:42:15.02 ID:clFucneV0



受付に戻って入館証を返し、少しの雑談を経たあとお礼を述べてレッスンスタジオを出る。

ほんの少し寄るだけのはずが、随分と長い間お邪魔してしまったが、新しい友達ができたので、良しとする。

ただ、私がアイドルをやっていた頃にすぐに誰とでも友達になれてしまうすごい子が同じユニットにいたけれど、あんなふうにはいかないものだ、と苦笑した。

プロデューサーを探す、という本来の目的からはいささか逸れてしまったように思うが、まだ初日だ。

こういうこともあるだろう。

懐かしい道をふらふらと歩いて、日が暮れてきた頃合いで、私は自宅の方向の電車に乗るのだった。



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