環いろは「桜子ちゃんが二人になっちゃった?!」
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66: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/12/01(日) 23:03:51.87 ID:5yCClcPC0


桜子「 |・・・・・・| 」

いろは「・・・・////」ドキドキ

桜子「 |・・・・?| 」

いろは「・・・・////////」ドキドキ モジモジ...

桜子「 |どうしたの?| 」 顔近づけ

いろは「あはゃっ?!//// なっ、なんでもないですっ////」 どきどき


いろは「・・・あっ、そ、そうだっ!」

桜子「 |?| 」

いろは「さっき太陽電池で動くプレイヤーがあるってお手紙にありましたよねっ・・・?」

桜子「 |あっ、そうだね。晴れたから今ならういのレコードを聞けるかも| 」

いろは「私は初めて見る機械です。使い方分かりますか?」

桜子「 |大丈夫。灯花のサーバーにデータがあるから。こうして、こうすれば。・・・・これで聞ける| 」カチッ


 〜♪

いろは「あっ、聞こえてきた」

桜子「 |んっ・・・・・| 」

桜子( |聞こえてきたのはピアノの音。アナログレコードの音質は決して良くない。プツプツとした雑音も混じっている| )

桜子( |でも、そんなことを気にさせないほどに、古ぼけたスピーカーから聞こえてくるピアノの音色には、演奏者の感情がしっかりと乗っているのを感じる| )

桜子( |ゆっくりとした、柔らかなピアノの旋律。それは不思議とういの演奏だと確信が持てる。私はういがピアノを弾いている姿は見られなかったけど、いつも楽しそうに演奏している姿は容易に想像できる| )

桜子( |そんなピアノに続いて聞こえてきたのは| )


 〜♪
 書き記して またー、振り返って みた 〜♪
 記憶は、穴だらけ だ 〜♪


桜子( |少し掠れている高齢の女性の声| )

桜子( |それでも、私がよく知っている声。聞いているだけで癒される歌声。姉譲りの優しさがいっぱい詰まった、ういの声| )

桜子( |ういは私の姿を描いてくれた人。私の大切な人。病気でいつ死んでもおかしくなかったういが、その後は毎日元気よく弾き語っていたと思うと色んな感情が溢れてくる| )


 咲き誇 っている、桜ぁのような 〜♪
 誰からもー 認められている 〜♪
 存在にー、なりたぁいなってー、顔を上げてみた  〜♪


いろは「穏やかで、素敵な歌声ですね」

桜子「 |そうだね| 」


桜子「 |・・・・・・・・| 」

桜子( |私が守るべき4人はもういない。4人以外で親しくなれたひなのや令もいない。私とは生きている時間が異なってしまったから。

だけど、どんなに長い時が過ぎようと、その人たちの存在は確かに私の中に刻まれている。ういの歌が刻まれている、このレコードのように。

そしてからこれからの私は、新しくできる思い出も私のレコードに刻み込んでいこう。ここにいるいろはと一緒に、新しい大切な人をたくさん見つけて、大きな環を作って、それでできる思い出を。

今はまだまっしろな未来。これから色んなことに喜んだり、驚いたりして、少しずつ鮮やかにしよう。彩に溢れた幸せな未来に胸を膨らませて| )






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