環いろは「桜子ちゃんが二人になっちゃった?!」
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61: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/12/01(日) 22:33:40.09 ID:5yCClcPC0

いろは「それからの私は今までにないくらい苦労を重ねて(それでも桜子ちゃん程ではありませんが)、キュゥべえに『タイムマシンに興味はない』という意思を持たせたることができました」

桜子( |いろは・・・| )


いろは「これでようやく桜子ちゃんを目覚めさせても大丈夫だと思いました。私もすっかり年を取ってしまいましたが、私は桜子ちゃんとの再会を期待に胸を膨らませ、万年桜まで足を運びました。しかし、桜子ちゃんは目を覚ましませんでした。ウワサの内容を加筆しただけでは一度失った命が蘇ることはありませんでした」

いろは「でも私は悲嘆にくれませんでした。加筆した内容である “友達” とは、私とは限らない、不特定の誰かです。私以上に桜子ちゃんの事を大切に想ってくれる人が現れる奇跡が起これば、きっと桜子ちゃんは再び目を覚まします。私はその奇跡を信じました。ねむちゃんの最後の命が無駄ではなかったと信じ続けました」

いろは「信じましたが、残念ながら私が生きている間にそういう人は現れそうにはありませんでした。でも、将来、途方もない年月が経とうと、その人は必ず現れ、桜子ちゃんは目を覚ますはずです」

いろは「その時のために、桜子ちゃんと親しかった人から預かっていた物があります。これは私が直接渡したかったのですが、それは叶いそうもないので、宝箱に入いれて桜子ちゃんに渡します」

桜子( |この箱の中に手紙と一緒に入っていた物がそうね| )


いろは「ねむちゃんからは、今まで考えたウワサが全て記されている本です。ウワサ同士で交流ができると以前聞いていたので、どうかこの本の中の子たちとも仲良くしてください」

桜子( |うん。この子たちが居れば退屈しなさそう| )


いろは「ういからは、自分の歌を録音したアナログレコードです。プレイヤーは太陽電池で動くよう灯花ちゃんに作ってもらいましたので、晴れた日にういの歌を聞いてください」

桜子( |今は曇っているから聞けないけど・・・。でも、このアナログレコードを見ていると、灯花とやちよの会話を思い出す。こういうアナログデータは長期間の保存に向いているって。だからきっと今でもういの歌はちゃんと保存されているはず| )


いろは「観鳥さんからは写真と観鳥報です」

桜子( |神浜マギアユニオンを結成したときにみんなで撮った写真とか、色々ある。観鳥報は、私の知らない号だ。気になる。後で読もう| )


いろは「ひなのさんからは、以前桜子ちゃんが気にしていた香水のレシピです」

桜子( |一緒にお昼したときにひなのが教えてくれた香水だ。意中の相手をメロメロにできる香水| )


いろは「灯花ちゃんからは、宝箱には入っていませんがサーバーです。里見メディカルグループが長年維持経営できるよう灯花ちゃんがしっかり基盤を築いてくれましたので、桜子ちゃんが起きた時代でもサーバーは後継者の人によって設備が更新され続け残っているはずです」

いろは「ただし、サーバーと接続する際は読み取り専用としてください。相互接続すると、桜子ちゃんが持つキュゥべえの知識でサーバーが壊れてしまうそうです」

桜子( |灯花のサーバーが残っている・・・? 接続・・・できた| )

桜子( |この時代の色んな情報が分かる。良かった・・・| )

桜子( |電気を流してポカポカ。ファンが回ってクルクル。私のことを覚えててくれた箱。私に色んなことを教えてくれる箱。これからもよろしくね| )


桜子「 |んんっ・・・・| 」

桜子( |みんなが私に贈ってくれた物がたくさん。どれも懐かしい。ずっと眺めていたいって思う| )

桜子( |嬉しい・・・。いろはがいなくてもこんな気持ちになれるなんて思わなかった。きっとねむのおかげ| )

桜子( |私は長い年月をかけて、いろは以外に興味がないウワサになってしまっていたけど、ねむが最後の命を使って内容を加筆してくれた。加筆された内容にある “友達” はいろはだけとは限らない。だから今はいろは以外の友達のことも大切に想えている| )

桜子( |それに、キュゥべえに壊された感情が元に戻っているみたい。私は私という存在に厚みを感じる| )

桜子( |・・・ううん、涙腺が緩くて前以上に感情豊かな気がする| )

桜子( |私の友達が私に贈ってくれたこの思い出の品々が、どれも輝いて見える| )





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