環いろは「桜子ちゃんが二人になっちゃった?!」
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49: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/12/01(日) 19:51:36.73 ID:5yCClcPC0


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十七夜『うむ。それは大変魅力的だな。今の自分の選択が将来どうなるのか分かれば、自分にとって都合の良い未来へ辿り着くことだってできるからな』

十七夜『だが実際はそんなに上手く行くものだろうか。自分は、人生はそんなに甘くないと思う』

十七夜『例えば、ある望まぬ未来を避けるため、ある選択をしたとしよう。その結果また別の望まない未来になってしまったらどうする?』

十七夜『また未来を知って別の選択をするか? それでまた望まない未来になったら? そんなことを繰り返していたら、自分だけでなく周りの人の運命をもかき回すことになる。自分の都合でそんなことをするのは周りの人に対して不条理、不義理、不公平ではないか? そんなものは許せん』

十七夜『そんなことになるくらいだったら、自分は未来を知る方法を放棄する。そして自分は自分が今考える最善を為すことだけをする。その結果、もし望まない未来になってしまったとしても、それが自分の運命だったと受け入れる』

十七夜『それにな、未来など知らなくても、間違ったと思った今の選択が、後になって考えてみたら正解だったりもする。それを多く経験する方が、自分は人としてより成長できるし、なにより面白いと思う。人生とはそういうものだろう』

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やちよ「―――と、言っていたわ。なんというか、十七夜らしいと思ったわ」

やちよ「多分あの時の十七夜は、本当だったら私たちの記憶も消したかったんだと思う。だけど、桜子さんが途方もない苦労をしていろはに会いに来たのに、それを無かったことにするのをためらってくれて、それで自分の記憶だけ消してくれたのかも」

やちよ「そして、いろはのことを信頼しているから、悲しい結末を変えるために、いろはがかき回す運命だったら、受け入れられる・・・って考えたんじゃないのかしら。多分ね」

いろは「十七夜さん・・・・」

やちよ「ただね・・・記憶を消しただけでなんとかなるほど、事態はそんなに単純じゃないみたいでね・・・。もしかしたら辛い決断を下さないといけないことになる。特にいろはにとっては・・・」

いろは「えっ、な、なんでしょう・・・?」

やちよ「いろははさっき桜子さんにこう言ったわよね。『ずっと側に居ていい』って」

いろは「それはもちろんですよっ! 桜子ちゃんがあんなに傷だらけになりながらも私に会いに来てくれたんですからっ!」

やちよ「実際に桜子さんがずっと側に居るとどうなると思う?」

いろは「そ、それは、確かにお手洗いや授業中はちょっと困っちゃいますけど・・・でもそんなの桜子ちゃんの苦労に比べたらなんてことないですよ・・・!」




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