環いろは「桜子ちゃんが二人になっちゃった?!」
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42: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/12/01(日) 17:12:38.35 ID:5yCClcPC0
桜子「 |あなたの知っている全てを、私も知ることになる。それは構わないの?| 」
キュゥべえ「構わないよ。ボクには隠すことなんて何ひとつないからね」
キュゥべえ「心配なのはむしろ君の方だよ。さっきも言ったけど、ボクたちと人類では文明としてのレベルが違い過ぎる。君は人類の知識を土台に魔法科学が加わっているだけで、万物の知識量は圧倒的にボクたちの方が多い」
キュゥべえ「それにわずかだが、君には未だに感情や個性が残っている。その状態でボクたちのネットワークに接続したら、君のその感情や個性が耐えられるかどうかの保証はできかねない」
キュゥべえ「それでもいいかい?」
桜子「 |いいよ。もうずっと長い事いろはに会えない苦しみに耐えてきた。今度も耐えてみせる| 」
キュゥべえ「分かったよ。それじゃあ接続を始めるよ」
桜子「 |うん| 」
急激に私に流れ込んでくる大量の知識。知識。知識。
灯花のサーバーと接続したときとは比べられないほどの知識量。
一瞬にして体の自由が奪われ、意識が飛ぶ。
それでも流れ込んでくる万物の知識。
暗黒物質の正体、未知の元素、光速の彼方、深宇宙の全て、量子の世界、具現、回収、変換、魔法少女システムの原理構造。
ありとあらゆる知識。
無限に思える巨大な知識の海。真理の大海。私はそれに溺れ、深く沈み、圧し潰される。
私が持っている私が、全て剥がれ落ちていく。記憶も、目的も、個性も、感情も。何もかもが無くなってゆく。
私はもう私を保っていられない。私は生きたまま死ぬ。いつか望んでいた死が目の前に迫っていた。
新しい記憶から順に、全ての記憶が海の中で雲散していく。
そして消え去る最後の記憶は、
「それじゃあ、さくら」
記憶。私の最初の記憶。
いろはの声。私が生まれた瞬間の記憶。
優しいいろはの声。
さくら。桜。桜子。柊桜子。万年桜のウワサ。
それが私。私は私。
このままじゃいけない。これだけは絶対に手放せない。
私が死んでも、いろはが死んでも、世界が改変されても、この記憶だけは誰にも奪わせない。
いろは。いろは。
いろはに会いたい。
そう、これが私の目的。私はもう一度いろはと会う。そしてもう一度会えたなら、ずっといろはの側に居る。ずっと、ずっと、永遠に。
いろはがいない苦しみはもう味わいたくない。
私は知識の海の中でもがき、足掻き、抗い、這い上がり、そして知識を支配する。いろはに会うために。
いろはに会いたい。
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