白雪千夜「足りすぎている」
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31:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:03:46.64 ID:QXbKSZYO0
「ダー♪」

 途端、先ほどまでのキリッとしたアナスタシアさんの表情がホロリと崩れ、まるで別人のようにあどけない笑顔を見せた。
 ボーイッシュでクールな外見とのギャップがあまりに大きく、思わずドキッとしてしまう。


 控えのスペースに設けられた簡易なテーブルに、皆で席に着く。
 紅茶を注ぎ、アナスタシアさんに手渡すと、彼女はそれを両手で大事そうに受けた。

「チヨの紅茶、飲んだことないから、プリヤートナ……とても楽しみでした」
「このようなプラカップでお出しするのは、些か不本意で恐縮ですが」

「アー……イササカ? キョウシュ?」

 私の言葉に、アナスタシアさんは首を傾げた。

 彼女はロシアとのハーフだという。
 難しい日本語はちょっと苦手なのだと、緒方さんから以前聞いたのを思い出した。

「千夜ちゃんが言っているのは、ちゃんとしたコップで出せなくてごめんなさい、っていう意味なの」
 横から新田さんが注釈すると、アナスタシアさんはますます首を捻っている。

「チヨは、紅茶を淹れる時には謝る、ですか?」
「いえ」



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