白雪千夜「足りすぎている」
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206:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 18:59:38.65 ID:1/ZkFkMM0
 最初こそ戸惑われたが、私のあの人に対する呼び方の変化も、今では皆に受け入れられてきている。
 凜さんは、少し考える素振りを見せた後、どこかとぼけるように首を捻った。

「調子は、良いんじゃないかな。
 どの程度の出来にまでなっているかは分からないけど、この前みたいに、倒れたって話は最近聞かないし」
「志希のお薬が効いてるんじゃない? 奈緒も試しにちょっともらってきてみたら?」
「あ、あたしはいいよ! ていうか、ドーピングとかになんないヤツだろうなそれ!?」
「アー……美味しいから大丈夫、ですね?」
「アーニャがボケに回るな!!」

 皆で笑い合う。
 この間は、お泊まり会をした時の奏さんが、寝ぼけて文香さんの歯ブラシを鼻の穴に突っ込んだという話を、周子さんが嬉々として話したのを聞いた。
 顔を真っ赤にして怒る奏さんの普段とのギャップが楽しくて、やはり笑ってしまったものだ。

 愉快な人達が多い所だなと、改めて気づかされる。


「ただ、未だに不思議なんだよね」

 ひとしきり笑った後、加蓮さんが少し空気を変えた。

「何が?」
「いや、美城常務の話。何で常務、ちとせさんを特別扱いしたのかなって」



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