156:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 16:08:03.77 ID:1/ZkFkMM0
「辞めようと思えばいつでも辞められるからね」
素知らぬ顔で彼女は答えた。
ストローから口を離し、椅子の上であぐらを半分かいて店の天井を仰いでいる。
定規のアイツとはまるで正反対だ。
「そんなこと考えてダラダラ続けてたら、逆に辞める方が面倒くさくなってきちゃってさ」
「辞める方が、面倒?」
「うん」
これは誰にも言わないでほしいんだけど、と前置きを加えて彼女は続ける。
「辞めたらうるさく言う人がいるでしょ? きらりとか未央とか……あぁ、千夜ならアーニャかな。
そういう連中にやいのやいの文句言われるくらいなら、惰性で今の状況を続けてた方がリスクは少ないかなって。
今も杏的には忙しいけど、適度にサボれるし、プロデューサーも杏の性格見越して仕事の量を調節してるんだとしたら大したもんだよね」
「つまり……シンデレラプロジェクトの皆さんに不和を与えないことを、杏さんは重要視していると?」
「そういう勘違いをする人がいるから、誰にも言わないでって話。
……って、あぁ、辞める千夜には関係ないか」
面倒くさそうに手を振り、再びオレンジジュースを手に取った。
「杏がどうってより、今は千夜の話でしょ。
ちとせのためになると思って辞めるんだって千夜が決めたんだったら、それでいいんじゃない。
まぁ杏の見立てでは、千夜が辞めてもちとせはアイドル辞めないと思うけどね」
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