白雪千夜「足りすぎている」
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136:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 14:57:39.48 ID:1/ZkFkMM0
「で、ですが……!」

 無茶なお願いであろうと何とかしてほしい。
 いや、しなければならないのだ。
 私はアイドルである以前にお嬢様の従者。
 お嬢様の身の安全の確保は、私にとって第一に行わなくてはならないこと。

 あの人は、人形である私に生きる意味を与えてくれた、大切な方なのだ。

「お嬢様のお身体に、何かあってからでは遅いのです。
 ご自身が自称されているように、お嬢様のお身体は決して強いものではありません。
 せめて、レッスン以外の所で一緒の時間を作るとか、できる限りのケアを……!」

「一緒の時間……」

 アーニャさんは、こちらに顔を向けて、ニコリと笑った。
「それなら、たぶんできます」
「良かった……」

「でも……チトセを止めることは、できません」


 寂しそうな笑顔のまま、アーニャさんは俯いて首を振った。

「どうして……?」


「アーニャは、チトセを止めたいと、思わないからです」



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