白雪千夜「足りすぎている」
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100:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 00:45:07.66 ID:1/ZkFkMM0
 そう――付き添える時間を割かれているのは、私の方だけではない。

 最近では、お嬢様の方も、ご不在の時が多くなっている。
 長らく候補生の身に甘んじていたが、アイドルとしていよいよ始動し始めたということだろうか。

 そうであるならば、早く見てみたいという気持ちは純粋に強い。
 私に対してさえ、一定の物好きが集まる業界だ。
 お嬢様の美貌であれば、ファンの獲得などずっと容易いに違いない。


 ただ、気になることがある。
 お嬢様は私と同様、シンデレラプロジェクトのプロデューサーたるアイツにスカウトされ、この事務所に来た。
 一方で、アイツの口から、お嬢様を担当することになった旨の話は聞いていない。

 アイドルの活動を始めたのだとしたら、お嬢様は一体、誰が担当しているのだろう?


「あっ」

 凛さんが、ふと何かを見つけて足を止めた。

「どうかされましたか?」
「ほら、あそこ」



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