白雪千夜「足りすぎている」
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99:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 00:44:03.05 ID:1/ZkFkMM0
「分かりました」

「ほんとに分かってる?」
「いえ、分かっていません」

「だと思った」
 フフッ、と年相応に吹き出す彼女の笑顔に、私もつい頬が緩む。

 理解のできないことに、いちいち心を惑わされるのは合理的ではない。
 そういう私のスタンスを、今ではアーニャさんだけでなく、プロジェクトの皆が認識していた。

 分からないことは無視、だけど――。
 凛さんの口から、そういう抽象的な話が出てきたことは、ちょっと興味深い、かな。

「ところでさ、千夜」
「何でしょう」


「ちとせは、今日呼ばなくて良かったの?」


「……もちろん、お誘いしたかったのですが、ご都合がつきませんでした」
「そうなんだ……忙しいのかな」

 少し落胆しながら、凛さんは顎に手を添えて何か思案している。



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