11:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:29:03.29 ID:PR8wYl2Go
「後ね、澪ちゃんとりっちゃんは別のサークルにも入ったんだよ。二人とも同じ『しいた』同好会なんだって」
「……角度同好会とは、かなりマニアックな集まりですね」
「ぷぷっ。あずにゃん、知ったかぶっちゃダメだよ〜」
ムカッ。確かにダメ元で言いましたけど……。
12:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:29:49.93 ID:PR8wYl2Go
唯先輩は得意気に続けます。
「あずにゃん、『しいた』っていうのはね、この詩のどんな所がいいかを調べたり、実際に作って見せ合いっこする所なんだよ」
「……唯先輩、その同好会、『しいた』じゃなくて、『しいか』だったりしません?」
「ほぇ?」
ムギ先輩の方を見ると、うんうんと二度首肯してくれました。
13:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:31:02.68 ID:PR8wYl2Go
「しかし、澪先輩はともかく、律先輩もそこに入ったんですね。意外っていうか……」
そう言うと、二人は示し合わせたかのように顔を見合わせて、ふふふと意味深に笑いました。
「何かあったんですか?」
「うふふ、そこにも健気なドラマがあるのよ。初めは澪ちゃんが、もっと詩の勉強をしたいってそのサークルに入ったのだけど、それを律ちゃんが聞いたら、その日の内に律ちゃんも入っちゃったの。『澪のポエムが暴走したらマズい』とか『人見知りが暴走して気まずくなった時の為に』って言ってたけど……」
「りっちゃんも素直じゃないよねぇ。二人のことはちゅーの一件で皆知ってるのに」
14:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:31:40.52 ID:PR8wYl2Go
「あの、私だけ話がついていけてないんですけど……」
そう言うと、二人の動きがぎくっと静止しました。
「あ、あれ、あずにゃん、何も知らない?」
「思い当たる節はありませんけど……」
「そ、そういえば、梓ちゃんはあの場にいなかったわね」
15:名無しNIPPER[sage]
2019/11/10(日) 22:31:59.93 ID:9e0/ywHE0
読み辛っ
自己満[田島「チ○コ破裂するっ!」]なら他所でやれよ
16:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:32:15.53 ID:PR8wYl2Go
「あの、私だけ話がついていけてないんですけど……」
そう言うと、二人の動きがぎくっと静止しました。
「あ、あれ、あずにゃん、何も知らない?」
「思い当たる節はありませんけど……」
「そ、そういえば、梓ちゃんはあの場にいなかったわね」
17:>>15 マス開けミスってました。スマソ
2019/11/10(日) 22:34:29.78 ID:PR8wYl2Go
そう思っていると、どこからともなく古典風な笛や太鼓の乾いた音色が聞こえてきました。きっとお神輿が担がれ始めたのでしょう。
「お祭り、始まったみたいですね
「あ、ほ、ほんとだっ! 早く行こうよっ、ね、ねね!」
「そ、そうね。私も久しぶりだし、ちょっとでも長く見ていたいわ!」
「ささ、早く行こあずにゃん!」
18:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:36:14.62 ID:PR8wYl2Go
夕方のふわふわした暖かさが街へ溶け出したからでしょうか、薄灰色だった雲は目を射差すような橙色に染まり、その日光と盆提灯、屋台からこぼれた白色蛍光が混ざり合って、その光景はまるで夢や思い出の一シーンのように、全景がぼんやり滲んだ、とても幻想的な風景でした。
19:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:37:19.61 ID:PR8wYl2Go
「あずにゃん、たい焼き食べる?」
「ありがとうございま……って、いつの間にそんなに買ったんですか!?」
気付けば唯先輩は持てるだけの食べ物を買ったという風体で、さながら食べ物の着ぐるみをまとっているかのようになっていました。
「まま、好きなの選んでよ。たこ焼きたい焼きさいきょう焼き、フライドポテトにスーパーポテトもあるよ」
「豊富ですね……」
20:名無しNIPPER
2019/11/10(日) 22:38:47.75 ID:PR8wYl2Go
「じゃあ、たい焼きを一つ」
「あいまいど! お嬢ちゃん可愛いからタダね!」
「誰ですか」
そう言って受け取った一尾のたい焼き。紙ごしでも伝わる温かさは、屋台から貰った出来上がりも同然の温もりでした。
……もしかして、私が食べると思って、最後に買ってくれたのかな……?
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