567: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2021/09/29(水) 00:55:00.32 ID:+6Bg2JYSO
緋色『こう?』
飛龍『もうちょっと横で、そうそう。結構上に跳ねるから』
2人共楽しそうだった。
ふと、小学生くらいの時に上級生から輪ゴム鉄砲の打ち方を教わったのを思い出した。
こんな楽しそうに撃ち方を教わってていいのだろうか。深海棲艦を、命を軽く消し飛ばせるモノを。
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飛龍「そういうとこ、やっぱ気になる?」
午後になり緋色へのレクチャーを終え帰ろうとする飛龍に、その話をしてみた。
飛龍「私も最初は特に疑問には思わなかったわ。というか今も疑問に思ってはないけどね」
そう言いながら右手で銃の形をつくって俺に向ける。
飛龍「こういうのが当たり前だからさ、私達。怖いとか、そういうのはない。それが人とズレた感覚だってのは分かるけどね」
男「そういうものか」
飛龍「この国は武器を持つ感覚に疎いからね。善し悪しは別としてさ。だから」
左眼を瞑り、人差し指の狙いを定める。
飛龍「バァン」
男「…」
飛龍「こーゆーとこも含めてさ、だからきっとここに壁があるんでしょうねぇ」
コンコンと扉を叩くように俺との間をノックする。
男「壁なら壊せるさ」
飛龍「お、カックィ。期待してるからね〜、それじゃっ!」タッタッタッ
廊下を駆けてく飛龍にそれ以上何も言えなかった。追うことも、手を伸ばすことも。
きっとそれが壁なのだろう。
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