52:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 19:45:35.56 ID:pYPvRrqT0
これも翼の悪意のない素直な言葉である。
そのことは静香にはわかっていた。
だからこそ強く拒否することもできず、
また自分の気持ちの整理が付いていないこともあり、静香は言葉に詰まってしまう。
そうして言葉を選んでいるうちに、部屋のドアノブが外から回された。
53:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 19:47:14.53 ID:pYPvRrqT0
プロデューサーに弱気なところを見せたくないという意地からか、
喉元で詰まっていた言葉を静香は一気に吐き出すように言った。
しかし翼はそんな静香を尻目に、プロデューサーに向けて尋ねる。
翼「プロデューサーさん、もうメンバーの変更は無理なの? 私が出ちゃ、ダメ?」
54:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 19:50:05.17 ID:pYPvRrqT0
P「そうか。だったら、今から静香と歌ってみてくれ。静香と千早が歌う、あの曲を」
静香「なっ……!?」
耳を疑った。
55:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 19:51:55.57 ID:pYPvRrqT0
静香「ちょ、ちょっと待って、翼! プロデューサーも、本気で言ってるんですか!?
そんな、千早さんに相談もせずに……!」
P「千早にはあとで説明するよ。きちんと説明すれば納得してくれるさ。
っていうか、ここで静香が自分の方がふさわしいって証明できれば問題ないはずだろ?」
56:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 19:53:26.52 ID:pYPvRrqT0
静香「そ、そういうわけじゃ……」
翼「それじゃ決ーまり! 私も千早さんと歌いたいし……久しぶりに本気、出しちゃおっと♪」
静香「っ……」
57:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 19:58:56.76 ID:pYPvRrqT0
――かじかんだ唇 ほどいた歌声が――
未来「! 静香ちゃん……」
始まりの静香のパート。
58:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 19:59:59.22 ID:pYPvRrqT0
――今ならわかる ためらいかき消して――!
雷に打たれたような感覚。
静香は目を見開き、翼を見た。
59:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:02:46.70 ID:pYPvRrqT0
負ける。
このままじゃ負ける。
絶対に負ける。
こんなの勝てるはずがない。
60:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:04:19.59 ID:pYPvRrqT0
「ッ……!!」
瞬間、全員が息を呑んだ。
プロデューサーも、未来も、歌っている翼ですら。
静香以外の全員の呼吸が、一瞬止まった。
61:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:05:37.34 ID:pYPvRrqT0
――存在証明する “蒼”生きてゆくための証
響け この胸のファクター――!
それはその場の誰も聴いたことのない歌声だった。
誰も見たことのない最上静香がそこに居た。
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