31:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/06(日) 20:57:36.95 ID:T5VGsdE90
響「千早が求めているもの……?」
伊織「……よく分からないけど、ちょっとでも気分が晴れたなら良かったわ」
千早「ええ。まだ上手くいくか分からないし、不安ことはあるけれど、でも、もう大丈夫」
32:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 20:58:27.69 ID:T5VGsdE90
そうして最後はずいぶん騒がしく、響たちはレッスンルームを去っていった。
千早は微笑みを浮かべてしばらく扉を見つめた後、
表情を改めてプロデューサーから送られた動画を見返す。
……0%。
33:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 20:59:39.40 ID:T5VGsdE90
・
・
静香「――わかりません。何度聞かれたって、わからないものはわからないんです……!」
P「……」
34:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 21:00:39.81 ID:T5VGsdE90
大きな音を立てて扉が閉まり、控室には静寂が戻る。
少し経ち、プロデューサーが息を吐いて椅子に腰を下ろしたとき、もう一方の扉が静かに音を立てた。
ジュリア「よぉ、やっと終わったかい?」
35:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 21:01:50.68 ID:T5VGsdE90
ジュリア「だろうね。あたしにもなんとなくわかるよ。
あの曲、聞かせてもらったが……。ありゃあ確かに、シズには難しいよな。
なんせ、相手があのチハなんだ」
P「……」
36:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 21:02:47.30 ID:T5VGsdE90
ジュリア「だからあんたもチハも、シズに何も教えてやらない……。教えてやれないんだろ?」
P「ああ……。少なくとも俺はそう考えてる。
今の静香が抱えている問題には、静香自身で気付いた方がいい。結構、大きな賭けになるけどな」
37:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 21:06:04.10 ID:T5VGsdE90
・
・
・
ジュリア「――悪いね。助けになってやれなくてさ」
38:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 21:06:57.38 ID:T5VGsdE90
春香「なんだか、ずーっと下を向いて歩いてたけど……」
静香「あ、いえ、その……。ごめんなさい、ちょっと、考え事をしてて……」
春香「考え事って……。もしかして、今度の公演のこと? 千早ちゃんと一緒に歌うんだよね?」
39:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 21:08:59.97 ID:T5VGsdE90
そうして、静香はこれまであったことを話した。
自分のせいで千早を失望させてしまったこと。
それなのに原因がわからないこと。
当の千早には何も教えてもらえないこと……。
40:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 21:09:49.37 ID:T5VGsdE90
春香「本当に失望しちゃってたら、一週間も待ってくれないと思うよ?」
静香「え……」
春香「それに静香ちゃん、言ってたよね? 千早ちゃん、すごく悲しそうな顔をしてた、って。
41:名無しNIPPER[saga]
2019/10/06(日) 21:12:17.88 ID:T5VGsdE90
春香「……って、千早ちゃんがどう思ってるかなんて、全部ただの想像なんだけど」
そう言って、バツが悪そうに春香は笑う。
確かに、春香の言ったことはすべて春香の想像に過ぎない。
だが少なくとも、千早と対等に話すことのできるジュリアも同じことを考えていた。
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