高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「9月5日のその後に」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/05(木) 18:42:43.08 ID:w/xsIxLY0
「……受け入れることが、できませんか?」
「ううん」
「みんな愛されるようになった自分のこと、嫌ですか?」
「……そんなことないよ。でも、やっぱり変だな、って――」
「それなら、よかったっ」
「え?」

きょとん、とした表情。つい表情が緩みそうになっちゃう。
やっと、少しだけ。いつも通りに戻れた気がして。

「もしも加蓮ちゃんが……変わってしまった自分のことを、受け入れられなかったり、嫌だって言ったら……なんて言葉をかければいいか、わからなかったから」
「……あははっ。その時は……かける言葉もない、とか?」
「くすっ。そうなってしまうかもしれませんね。何も言えないまま、じ〜、って、加蓮ちゃんを見続けてしまうかもしれません」
「やめてよー。今はちょっと……その、あんまり見られたくないし」
「やめません。今、私が加蓮ちゃんのことを見なかったら、誰が加蓮ちゃんのことを見てくれるんですか?」
「それは……。店員とか?」
「それなら、私と店員さんの2人で、加蓮ちゃんをじっくり見ちゃいますね」
「もーっ」

わざとらしく手をばたばたさせる加蓮ちゃん。シンプルな柄の、だけど夜道の中でも目を惹きそうなネイルの色が、サイリウムのように残像を作ります。
私も、肩を揺らしてしまって。お互いに、いつものように笑い合いました。
変なの、って言って。変だね、って返されて、また下唇を緩めて。


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