高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「9月5日のその後に」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/05(木) 18:42:12.18 ID:w/xsIxLY0
「藍子は知ってるでしょ? 昔の私が、誰からも見られていなかったこと」
「……」
「周囲の人間は私のこと、ただの子供とか、患者としてしか見てくれなくて。"北条加蓮"として見てくれる人なんて、世界のどこにもいなかった。きっと……私のお母さんとお父さんも」
「……」
「……アイドルになってから、Pさんが私を育ててくれて、藍子が私の目を見続けてくれて。たくさんのファンが、あたたかい声で私を迎え入れてくれた」
「……」
「それは……割とすぐ慣れることができた。手を振って、応えてあげることも。ありがとうって言うことも。だって……」
「だって加蓮ちゃんは、心からアイドルだから?」
「たぶんね。……今日、アイドル仲間の――そして、それだけじゃないみんなが見てくれて、祝ってくれて」
「……」
「錆びた歯車が無理に動き続けてるみたいな、そんな気持ち悪さが……。今も、ここに少し残ってるかも」

左手で喉元に軽く触れる加蓮ちゃん。ようやく正面を向いてくれたその顔は、寂しそうに笑っていました。


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