いつかの月が君に微笑む
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8:名無しNIPPER[saga]
2019/08/14(水) 22:01:13.66 ID:3RPf7FsGO
「あらぁ、別嬪さんを連れて帰って」

自宅について母親を玄関に呼ぶと、母は目を丸くして驚いた。女性から見ても、瑞穂はやはり美人に見えるらしい。

初めての来客に、母は慌ただしく対応をする。二階の角の俺の隣の部屋を使ってくれ、トイレはどこ、風呂はどこ、食事は何時と説明し、瑞穂は一々それに頷いて返す。夕食がまだだった彼女のために、簡単な食事を作るらしい。それまでに風呂を済ませてくれと、瑞穂の荷物を客間に運ぶと、そのまま俺は自室に戻った。

間もなく階段を下りる足音と、風呂場からの水音が聞こえてきた。男子なら誰もがするであろう想像で、少し興奮してしまいながらも、いやいやお客さんだぞと首を振って煩悩を払った。幽霊探しに家を出た時からは想像もしていなかった状況だけど、相手が瑞穂だと思うと存外嫌な気にはならなかった。それどころか、少し楽しくすらなってくる。

母に呼ばれて居間に向かうと、簡単な食事どころか結構な食事が出来上がっていた。とりあえず、今日の俺の夕飯よりは豪華だ。どうやら、時間を考えずに張り切りすぎたらしい。

「一人で食べさせるのも何だし、話相手になりなさい」

そう言うと、再び台所へ戻って行った。普段は食パンを焼いて食べるだけの朝食だが、明日はそうはいかないとぼそぼそ呟いていた。


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