いつかの月が君に微笑む
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16:名無しNIPPER[saga]
2019/08/14(水) 22:11:48.12 ID:3RPf7FsGO
二階からばたばた音がして、階段を下りてきた水原は学校とは少し様子が違った。校則違反のメイクを軽くして、服もどこかにお出かけするかのような小奇麗なワンピース姿だった。

「昨日は幽霊出なかったぞ」

「そ、そっか。ところで、えーっと、後ろの人は?」

恐る恐る確認するように、俺の奥にいる瑞穂に視線を送った。

「あ、うちのお客さん。しばらく島にいるからって、今から案内するところ」

「こんにちは、水原さん。尾関です」

ニコッと笑ったのが分かった。水原も顔を真っ赤にしてしまっている。本当に、美人ってすごい。しばらく経って、水原が正気を取り戻すと口を開いた。

「島回るの、私も一緒に行って良い?」

「俺は良いけど……」

後ろで瑞穂も頷いた。

「水原、出かける予定あったんじゃないの? そんなおしゃれして」

少なくとも、ハーフパンツにTシャツを着ただけの俺よりはよっぽど。

「分かる? 分かる? ありがと!」

俺の質問には返すことなく、彼女はそう言って家を出る準備を始めた。行動で返答はノーだということを察した。そして後ろの水原も、何かを察したらしい。なるほどね、と呟いていた。


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