9:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:38:56.05 ID:OJq4hmGJ0
P「――というわけで、残念だが今回ロコのステージアートは無しということになった」
ロコ「みんな、ソーリーです……納得いくクオリティのものをビルドできませんでした」
昴「大丈夫だよ、ロコ。気にするなって」
10:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:39:32.89 ID:OJq4hmGJ0
P「それで演出の代替案だが、とりあえず今日までに育とエレナが出してくれた意見を元に俺が組んでみた。問題ないなら大体はこれに沿っていこうと思うが、どうだろうか」
昴「前のプランでは、オレと育で歌う『ビッグバルーン◎』の風船は、ロコがデザインしたものを使う予定だったんだよな」
P「ああ。風船は普段『PRETTY DREAMER』の演出で使っているものを流用することにした。これならすぐ用意できるからな」
11:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:39:58.78 ID:OJq4hmGJ0
ロコ「それは……仕方ないです。だって――」
育「前にもこういうこと、あったんだよね?」
ロコ「う……」
12:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:40:25.27 ID:OJq4hmGJ0
ロコ「ロコは育のオファーを受けて、とっても嬉しかったんです。期待にコミットできることにプレジャーを感じて……でもロコはそれを裏切ってしまったんです」
育「ロコちゃん……うん、わたしも本当はすごく見たかったよ。ロコちゃんが作ったステージ……」
育「ロコちゃんは、いつも何かを作ることを真剣に考えてて、普通の人にできないことができる、すごいおとななんだって思ってたから。でもわたしはロコちゃんに、無理なおねがいを――」
13:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:40:55.87 ID:OJq4hmGJ0
エレナ「――なるほど。育はロコに迷惑をかけちゃったと思って、ごめんねって謝って、そしたらロコが飛び出していっちゃったんだネ……」
育「うん……」
昴「とりあえずオレが聞けた範囲だと、もしかしたら育が謝っちゃったのがマズかったのかもしれないな。ほら、最近似たようなことあったんだろ?」
14:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:41:23.89 ID:OJq4hmGJ0
昴「そりゃあ、誰だって褒められたら嬉しいはずだぜ。オレだって野球選手にインタビューしてキャッチボールしてもらったとき、良い球投げるねって言われてすっげー嬉しかったし」
エレナ「そうだネ。特にロコは、アートのことを誰かにいっぱい褒められたい!って思ってるカモ」
昴「うまく言えないけど、自分の才能に気づいてもらいたいっていうの? オレたちがPにアイドルの才能を見抜いてもらったのと同じように、アーティストとして必要とされたいっていうか」
15:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:41:58.67 ID:OJq4hmGJ0
育「そうだったんだ……うん。わたしがどうしてロコちゃんを傷つけちゃったのかはわかったよ。でも、それならどうしてロコちゃんはあのときくやしがらなかったの?」
エレナ「あのときって……どういうコト?」
育「ねぇ、昴さんとエレナさんはどうしてロコちゃんのアートが完成できなかったって聞いて、あんなに平気でいられたの?」
16:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:42:38.51 ID:OJq4hmGJ0
育「えっと……わたし、桃子ちゃんのこと演技が上手ですごいって思ってるけど、わたしだって演技には自信あるし、そこはゆずれないよ」
育「もし桃子ちゃんと同じオーディションを受けることになったら、桃子ちゃんだからこそ、ぜったい負けたくない。桃子ちゃんなら、きっとわたしと同じ気持ちでいてくれるって信じたい」
育「だからもし桃子ちゃんにオーディションで負けたとして、桃子ちゃんから、わたしなんて初めから勝ち目なんてないって思われてたとしたら、許せないし、とってもくやしいよ」
17:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:43:18.48 ID:OJq4hmGJ0
――劇場のある公園
千鶴「屋内にいないのなら、劇場の外しか考えられませんが……この雨の中、傘も持たず一体どこに?」
18:名無しNIPPER[saga]
2019/08/03(土) 20:43:48.65 ID:OJq4hmGJ0
千鶴「さて……なんでもない雑談でもしましょうか。コロちゃんの話したいことならなんでも聞き役になりますわよ」
ロコ「いえ。ロコは、今回のアートをコンプリートできなかったことについて、話したいです」
千鶴「無理に話さなくてもいいんですのよ?」
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