モバP「持たざる者と一人前」
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74: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/18(日) 15:29:07.02 ID:BON9hvjh0
「君はさっき、自分を“持たざる者”と言ったね。確かに、それはそうかもしれない。だからこそ、君の“持てる限り”の証明、確かにこの目で見届けた。ふふふ、実に良いものだ」

『では……?』

「うむ。よくぞここまで一念を通した。それだけではない。君は“意地”と“筋”まで通した。生半な人間では、そうはいかない」

 そして社長は俺に手を差し伸べる。満面の笑顔と共に。

「ようこそ、我がプロダクションへ。未だ名もなき会社だが、君を、君たちを歓迎しよう。必ずや、彼女をトップアイドルにしてみてくれたまえよ?」

 もう、迷うことはなかった。迷う必要もなかった。

 その手を、しっかりと握って、俺は声を張り上げる。

『はいっ、よろしくお願いします!』

「うむ。では、渋谷さんのプロデュースは君に一貫して任せることにしよう。君が見込んだアイドルだ、当然のことだが頂点を目指してもらう」

『……っ! もちろんです。必ず、渋谷さんなら成し遂げるだろうと、確信していますから』

 俺はゆっくりと彼女へと向き直った。その顔を、そして目を見据える。不足なし、とばかりに見返してくるそれに、俺はどこか嬉しく思いながら言葉を紡いだ。

 ようやく、胸を張ってこう言える。



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