嫉妬深い強欲デブでスケベで怒りに燃える怠け者の男「俺こそが唯一絶対の存在だ」
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◆CItYBDS.l2
[saga]
2019/07/29(月) 23:46:33.55 ID:8MZ+TPk10
そして、男は考えた。俺は、この地球上の唯一絶対の存在として何をすべきかと。だが、答えがでるまで、そう時間はかからなかった。平家が滅んだ後の琵琶法師達の活躍をヒントに、男は、人類栄枯盛衰の伝道師となることを決意した。この先、誰に伝えることになるかはわからない。それでもなお男はそうせざるにはいられなかった。
男は次に、如何にして人類のあり様を伝えようかと悩んだ。何らかのメッセージ性が籠ったモニュメントの作成や、人類史の編纂、もしくは平家物語に倣って歌を歌いあげるか。様々な手法を考えては見るものの、世界で最も賢い男の知力をもってしても、それらを為すには困難であるように思われた。そうして、最終的に辿り着いた答えは、らしくしていこうというものであった。
翌朝、男は自身の職場へと向かった。政府から管理業務を委託された、あの墓園にだ。男は、自分こそが唯一の『人類』なのであるから、自身のもつ価値観が、僅かに持ちうる知性が、溢れ出る性欲が、やることの全てが『人類』そのものを表していると。俺の生きざまこそが、何千年の歴史を積み上げてきた人類の集大成なのである。そう考えるに至ったのだ。そして、人として凡庸の域を出ない男にできることと言えば、世界が滅びる前と変わらぬ生活を送るぐらいのことであった。
出勤して、初めにやることは墓園の清掃であった。木々から零れ落ちた枝葉を、竹ぼうきで集め焼却炉に突っ込む。それが終われば、墓園の外での営業活動だ。住宅地を訪問してまわり、放置された遺体を見つければ、墓園まで運び、弔い、見つからなければ日が暮れる前に帰宅する。休日は、ガソリンや保存食といった生活物資を集めたり、ふと思い立って玩具屋へ突撃し、好きだったアニメキャラのフィギュアを掻っ攫ってきたりした。そして、時には休日が終わってもなお出勤を拒否し、何処へとも知れず旅に出るのだ。
そうして、男は世界で一番罪深い男となったのだ。
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