鷺沢文香「本に、命を」
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20: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:00:53.57 ID:UfnhAP/w0
先ほどまで顔を隠していたマスクも、私が圧し掛かったときか立ち上がるときか、
引き剥がしてしまっていたようです。

その代わりと言わんばかりに、どさりと1冊が顔に覆いかぶさって、
それをプロデューサーさんが払い除けました。
僅か数瞬の接触で血を吸った本が、そのページを見せ付けるように私の足元へ雪崩てきて。

折れ目も開きグセも無く、本はキレイに保ちたいんだ。

先程の言葉が、私の眼裏に文字となって流れます。
このままではプロデューサーさんを、彼の嫌いな、本を汚し傷める存在にしてしまう。
なれば、私はここで静観するわけにはいきません。

今なお血を流すプロデューサーさんを、まずは本のない場所へ移さなければ、
その前にまずは一旦ハンカチで出血源を塞がなければ。

上着のポケットを探りながら1歩を踏み出したその瞬間、
プロデューサーさんが激しく咳き込みました。
同時に細かな血の粒が飛び、辺りの本へ点々と飛沫ます。


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