21: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:01:33.94 ID:UfnhAP/w0
…埃。
山に積もっていた埃が一斉に舞い、横たわるプロデューサーさんなどおかまいなしに降り戻った結果です。
掃除の手間を惜しんだツケが、よもや、こんなカタチで追い打ちにくるなんて。
ますますもって急がねばなりませんが、この分ではハンカチ1つではとても足りません。
これでマスクが残っていれば出血も埃も止められるのに、と無い物を望んでも仕方ないのです。
私はプロデューサーさんに覆い被さりながら、その両腋に手を差し込みました。
いわゆる羽交い絞めというものを、向かい合ったカタチでかける状態。
そのまま抱き起しながら、出血に呻く彼の顔を、私の胸部で受け止めます。
むにゅりと柔らかく歪んで、ずぶりずぶりと沈み包む感触と、少し遅れて生暖かく濡れ張り付く感覚。
ともかく、これで…と安心しようとした矢先、なおもプロデューサーさんは咳き込み、
それに合わせてなおも血が飛散しました。
私は両の手を彼の腋から抜き、その頭を抱きかかえるように手をまわします。
なるべく鼻を痛めないよう、ぐにぐにと押し付けるように谷底へ誘導。
しかし、残念ながらそれでも変わらず。
咳き込みに合わせて血が飛沫いてしまって。
彼に見出してもらうまでこの大きさに自覚も意識もなかった私ですが、
お仕事を通じてだんだんと実感してきて、…それでも、顔の1つくらい悠々と包めるだろうという考えは、
まだまだ未熟者の自惚れだったのだと突きつけられました。
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