31: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:33:57.82 ID:l6pE73h60
とんとん。
と、ふいにドアがノックされた。
32: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:35:31.75 ID:l6pE73h60
「ドゥーチェ、もしかしてこれで四度目ではないですか?」
…………。
33: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:37:25.62 ID:l6pE73h60
私は頭が混乱してどう表現して良いのかがわからなかったが、何とか気を落ち着かせて、一言だけ絞り出す。
「お前もなのか?」
34: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:38:23.98 ID:l6pE73h60
すうっと、背中に載っていた重荷が下ろされるのを感じた。
真っ暗闇の夜道に光が灯った。
そうか、私だけではなかったのか。
35: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:39:27.60 ID:l6pE73h60
「ドゥーチェ、泣いてますか?」
「泣いてない! 嬉しいだけだ!」
36: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:43:08.30 ID:l6pE73h60
しばらくのあいだ、戦車道準備室でカルパッチョとお互いの状況を共有しあった。
カルパッチョの身に起きていることは私とまったく同じ。
大洗と試合をした日の夜になると、毎度毎度、6月26日に戻されてしまうとのことだった。
37: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:44:18.30 ID:l6pE73h60
と、再び感じ入ってしまったことに気付き、ぶんぶんと頭を振って考えを紛らわす。
いけないいけない。時間がないのだ。
思い出にふけっているような場合じゃない。
38: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:46:52.56 ID:l6pE73h60
「ではカルパッチョ。ループ脱出のためにやるべきことは、何かわかるか?」
「脱出条件の解明でしょうか」
39: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:48:52.78 ID:l6pE73h60
「……どうやって情報を集めましょう?」
「うーん、そう、そうなんだよなあ。私も色々考えてはみたが、何も思いつかなかったんだ」
40: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:50:13.36 ID:l6pE73h60
「共通点? それはループ間のか?」
「はい。ループの脱出に条件があるなら、脱出に失敗したこれまでは一度もそれを達成できなかったということですから」
「これまでの共通点を探せば、自ずとわかってくることもあるんじゃないかと思ったんです」
41: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:52:19.03 ID:l6pE73h60
負けて、負けて、負けた。
まさか、これか。これだったのか。
なるほど、思いついてみれば腑に落ちた。
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