アンチョビ「一万回目の二回戦」
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31: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:33:57.82 ID:l6pE73h60

 とんとん。

 と、ふいにドアがノックされた。

 朝早くに誰だろうとドアを開けると、カルパッチョだ。

 彼女にこんなへたれたドゥーチェの姿は見せたくない。
 顔を逸らして目尻にきっと力を入れると、再びカルパッチョへ向き直り、出来るだけ何でもない風な口調を装う。

「おー、カルパッチョ。どうした」

 カルパッチョはすでにアンツィオの制服に着替え、頭にはベレー帽を乗せていた。

 ふと自分の姿を見れば、こちらはまだパジャマのままだ。
 段々と恥ずかしくなってきて「さ、先に着替えてきても良いか」と確認する声が少しうわずってしまう。

 カルパッチョはそんな私の言葉など聞こえなかったかのように、真剣な表情で口を開いた。



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