154: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:19:22.22 ID:8naFKaaW0
「そりゃあ、楽しいのが、私の戦車道だ!」
「負けて楽しいすか?」
155: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:21:02.61 ID:8naFKaaW0
「なんすか? 負けてもまぁ楽しいっすけど、悔しさもあるっすよね? 少なくともわたしは悔しいっすよ」
「う、ぅうう、そ、そうかもしれないがなあ」
156: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:22:48.68 ID:8naFKaaW0
「でもやっぱり、みんなのことを思うと、勝利勝利って言っていられないんだよなあ」
「別に、構わないんじゃないでしょうか」
157: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:23:49.73 ID:8naFKaaW0
私が言うと、カルパッチョはきょとんと目を丸くした。
「ひとつ疑問なんですけど」
158: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:25:10.08 ID:8naFKaaW0
あぁあぁぁあああっ!
まったくっ! なんてことだっ!
ここまで落ちぶれていたのか、私は。
159: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:26:47.26 ID:8naFKaaW0
ループを脱出できない?
大洗に勝利し続けるから?
160: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:29:01.64 ID:8naFKaaW0
「……一万回繰り返せば、そりゃあ我々が勝てることもあるさ」
「でも、それじゃあ意味がない。そんな勝利に価値はない」
自分に言い聞かせるよう、ぽつぽつと言葉を吐く。
161: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:30:15.28 ID:8naFKaaW0
長く放浪の旅をしていたらしい情熱が、覚悟が、私の中へ戻ってきた。
楽しいのも戦車道だが、勝利を目指すことも戦車道だ。
162: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:32:05.37 ID:8naFKaaW0
「カルパッチョ。作戦会議だ。今度は一つの策に頼り切る真似なんてしないぞ。二重三重の策を用意して大洗を翻弄してやる」
私が言うと、カルパッチョは鼻息を荒くして答えた。
163: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:33:15.91 ID:8naFKaaW0
「どうして、お前、ここに?」
「いやー、ここんとこずっと、二人でこそこそ相談してたじゃないすか」
「いつもならわたしも混ぜてくれんのに、ずるいっすよ」
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