アンチョビ「一万回目の二回戦」
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160: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:29:01.64 ID:8naFKaaW0

「……一万回繰り返せば、そりゃあ我々が勝てることもあるさ」
「でも、それじゃあ意味がない。そんな勝利に価値はない」

 自分に言い聞かせるよう、ぽつぽつと言葉を吐く。

 カルパッチョは私の言葉に反応を示さない。
 ただ黙って耳を傾けてくれている。

「アンツィオは、一万回に一度の幸運でしか勝利を掴めないようなチームじゃない」
「アンツィオの強さを証明するためには、これ以上繰り返してはならない」
「それでは名誉は得られない」

 我々は強い。大洗に勝てる。

「これまで随分と負け続けてきたが、選択を間違え続けてきたが、今度こそ最後だ。勝っても負けても、これで最後にする」

 だから。

「いま勝とう。このループで勝つぞっ!」

 私が宣言すると、カルパッチョが頷いた。

「最初から、そのつもりです」



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