116: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 21:45:50.60 ID:8naFKaaW0
そこまで説明されて、ようやく私はケイの言葉の全てを理解した。
あぁ……なんてことだ、我々よりしんどいじゃないか。
「ケイ。お前が48回目なのは、48から11を引いた、残りの37回を第1ステージでゲームオーバーしているからなんだな」
117: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 21:47:45.91 ID:8naFKaaW0
「仲間が必要なら、我々が仲間になるぞ」
「……いや、是非、我々を仲間に加えてくれ」
「一緒にループを脱出しようじゃないか」
118: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 21:52:42.94 ID:8naFKaaW0
「はいっ。それじゃあ気を取り直して――」
ぱんっとケイが手を叩く。
119: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 21:54:56.48 ID:8naFKaaW0
「負け方に意味があるのかもしれませんね。今回の作戦が、たまたま何かの条件を満たしていたのかも」
カルパッチョが続けると、ケイが大きく手を広げた。
120: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 21:56:57.78 ID:8naFKaaW0
「まぁでも、つまりそういうことね。大事なのは負け方。大洗に、どう負けるかよ」
「……やっぱり勝っちゃ駄目なのか?」
121: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 21:58:53.64 ID:8naFKaaW0
「正史……正しい歴史、ですか……?」
「前回の我々はそこを辿れたってことか?」
122: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 22:01:03.11 ID:8naFKaaW0
――では、我々の場合はどうすれば良いか。
「マカロニ作戦を決行し、ペパロニが全てのデコイを配置し、大洗に数が合わないのを見破られ、徐々にアンツィオの車輌を削られ、負ける」
123: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 22:02:42.24 ID:8naFKaaW0
「そんなに難しく考える必要ないわよ」
ケイが左右に指を振る。
124: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 22:04:18.13 ID:8naFKaaW0
「さて、これで伝えなくちゃいけないことは全て伝えたわ。あとは各人がクリアを目指せば、きっとゴールに辿り着ける」
イレーザーを手に取ってホワイトボードの図を消し、私の隣を通り過ぎる。
その背中へ、私は声をかけた。
125: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 22:05:32.72 ID:8naFKaaW0
「でも一つ訊かせて、アンチョビ」
「なんだ」
126: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 22:06:59.98 ID:8naFKaaW0
私は答えた。
「そりゃあそうだ。当たり前だろう」
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