1: ◆KakafR9KkQ[sage saga]
2019/07/08(月) 00:31:56.86 ID:RMDHO/4E0
スイートプリキュア♪ ひびかな 掌編
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/08(月) 00:37:37.74 ID:RMDHO/4E0
「奏って最近あんまり怒らなくなったよね」
それは何気なく発した言葉。 そして続けて「前はあんなに怒りっぽかったのに」とも。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/08(月) 00:38:42.03 ID:RMDHO/4E0
奏が怒るポイントは、あたしにも未だに解明しきれていない。 でもあたしの経験測から言うと、奏は『怒りっぽい』と言われると間違いなく怒る。
つまり今奏は怒っているはずだ。 次の瞬間にも
『ひ〜び〜きぃ〜!』
4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/08(月) 00:40:45.16 ID:RMDHO/4E0
「えーっと…… 怒ってない?」
「昔の私ってそんなに響に怒ってたかしら?」
昔、昔か……
5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/08(月) 00:41:13.37 ID:RMDHO/4E0
「そうね……」
自分にしては良いことを言ったつもりなのに、対する奏は浮かない様子だった。
「奏はそうは思わない?」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/08(月) 00:41:46.35 ID:RMDHO/4E0
『悲しい』
その言葉が突き刺さる。
奏に怒られることで奏にあたしのことを見てもらえる。 そんな能天気なことをあたしが考えている時に奏はそんなことを考えていたんだ。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/08(月) 00:42:19.79 ID:RMDHO/4E0
「待って響」
唇の動きが強制的に止められる。 狭いベッドの中で奏はあたしとの距離を取る。
「え……?」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/08(月) 00:42:49.46 ID:RMDHO/4E0
「私、さっきから怒ってるんだけど」
奏はまっすぐこちらを見据えてそう語る。 その顔は実に整った凛としたもので、怒りなんて俗物的なものとは無縁に思える。
「だ、だってさっき『悲しい』って……」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/08(月) 00:43:20.86 ID:RMDHO/4E0
「はぁ…… 本当信じられない……」
人がふたり眠ることを想定されていないベッドの中を奏が動き回る。
薄布ひとつ纏ってベッドから抜け出した彼女はあたしに背中を向けながら呟く。
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