12:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:06:00.15 ID:qOvrccx90
「まあ、どうでもいいことだな」
僕は、裏庭のベンチに深く腰掛けた。
ここは日が当たることもほとんどないので、
13:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:07:11.88 ID:qOvrccx90
「いいか、小林。コミュニケーション能力ってのは、
社会に出るためには、確実に必要になるスキルのひとつなんだ。
つまりは、僕はそういうのが欠落してんだろうな。
14:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:07:37.82 ID:qOvrccx90
「さて、今日もお前に飯をやろう。いいか、よーく見ておけよ」
小林の好物は、丸々太った金魚だ。
そいつらは、裏庭のため池の中で悠々と泳いでいる。
15:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:08:20.48 ID:qOvrccx90
すると、小石はその場から消え失せ、
代わりにびちびちと、地面で跳ね回る金魚がそこに姿を現した。
僕はしたり顔で小林の頭を撫でた。
16:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:08:53.78 ID:qOvrccx90
裏庭に人がやってくることは滅多にない。
それは、このため池も関係していた。
不自然に建てられた歪つなフェンス。
17:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:10:37.10 ID:qOvrccx90
そういうわけで、僕は完全に油断をしていた。
そう。ここに人が立ち寄るなんて、滅多にないことなのだから。
18:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:12:13.42 ID:qOvrccx90
「なんでもないって言うのは無しだからね。
私、ちゃんと見ちゃったから。説明してもらえるかな。
19:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:13:46.36 ID:qOvrccx90
「ぜんぶ、見たのか?」
「うん。ぜんぶ、ね」
20:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:14:22.63 ID:qOvrccx90
蒼井はぽすりとベンチに腰をかけた。
その腕には包帯が巻かれてある。
「座りなよ、ここ」
21:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:15:03.14 ID:qOvrccx90
「どこ行くの?」
「帰るんだよ」
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