【ミリマス】私という撫子の
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7: ◆DbvMVEE3z2[sage saga]
2019/06/16(日) 00:12:11.64 ID:RAUxaTtJ0
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 五歳になってすぐのことだった。年が明けてもまだまだ寒い日が続いていて、外には雪が積もっていた。家の中から見ると柔らかそうに見える雪は実際のところ冷たくて硬い。

『Emily!』
『Dad, what’s up?』

 叔母さんが誕生日にくれたお人形で遊んでいるところにお父さんが話しかけてきた。ニコニコしていてなんだかとても嬉しそうだった。

『お昼から一緒に出掛けないか?』
『どこへ?』

 そんなお父さんの提案に私は少し眉をひそめる。だって雪は私の膝くらいまで積もっているというのに。できることなら暖かい家の中でもらったばかりのお人形で遊びたいというのが本音だった。
 しかしお父さんはそんな私の表情が見えていないのか見ようとしていないのか変わらず笑顔で続ける。

『父さんの働いているところでやっているNihonのものを集めたイベントなんだけど』
『Nihon……?』

 ただ繰り返しただけで、口にしたそれは知らない言葉だった。いつだかお父さんが言っていたような気もするけれど確証はなくて。その単語について想像を膨らませるほどの知識を私は持っていなかった。

『そう、父さんが大好きな国』

 私の目を見ながら笑ったお父さんはあまり見たことがなくて。お父さんにこんな顔をさせるものとはいったい何なのだろうか。そんな興味が少しだけ湧いた。



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