36: ◆DbvMVEE3z2[sage saga]
2019/06/16(日) 00:47:00.66 ID:RAUxaTtJ0
だけど、この花は。
「私だけの大和撫子に……」
いつだって私と一緒だった。
あの日から今日までずっと、傍にいた。ようやく出した小さな芽だけの花とも知れぬ花。
「エミリーのこれまでの努力は絶対に力になってる。先が見えなくて怖いかもしれないけど、必ず一歩前は照らしてくれている。それに、エミリーがこの道を歩んだことを間違いだなんて言わせない」
仕掛け人さまはそう笑うと私の震えていた指先に触れる。そんな仕掛け人さまの手も、あの時のように微かに震えていたことに気づく。
怖いのは私だけではないらしかった。
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