3: ◆DbvMVEE3z2[sage saga]
2019/06/16(日) 00:07:29.65 ID:RAUxaTtJ0
仕掛け人さまから用紙を受け取る。よほど早く渡そうとしてくださったのか電子手紙の画面がそのまま印刷されていた。上から目を通すと読めたのは仕掛け人さまのお名前と担当者の方のお名前と時候の挨拶。
着物の松山。
といえば着物を着る人で知らない人はいない。それくらいに有名な老舗の着物屋さん。
そんな着物屋さんと私がお仕事をするわけになったのは勿論仕掛け人さまのご尽力のおかげである。若者向けの着物を宣伝する際の手本として松山さん側から私を指名してくださったとのこと。
「それにしてもエミリーをイメージモデルに選んでもらえて良かったよ」
いつもより優しい目をした仕掛け人さまは私の前の椅子に腰を下ろした。急いでいない様子なのでこの後の用事は特にないのだろう。その言葉に思わず紙を持つ手に力が入る。
「はい。本当にありがたいことです……」
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