【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
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28: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/15(月) 06:00:03.38 ID:6Cl8Fzkmo

少しだけ手間取りながら、このみは再生の準備を終えた。
再生ボタンを押しそうになるが、少しだけ踏みとどまって目的を確認する。

シンシアを演じたとき、どういう気持ちで演じていたのだったか?
以下略 AAS



29:抜けがありました ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/15(月) 06:00:47.34 ID:6Cl8Fzkmo
>>23>>24の間

一般にはまだ未発売だが、特典部分の事務所チェック用のサンプルが以前届いていたはずだ。
このまま考えていても、何か大きなものが得られるとは考えにくい。
このみは「屋根裏の道化師」の映像を見返すことを決め、事務室へと戻ることにした。


30: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/03(土) 01:33:56.89 ID:GHTuQabuo
由緒ある劇場で、ある作品が発端となり起こった凄惨な殺人事件。
そして、事件により浮き上がる、登場人物たちの息遣い。
「屋根裏の道化師」は、とりわけ繊細な表現を要求される作品であった。

『コレット!良かった……。大丈夫だった?……ひどいこと言われたりしなかったわよね?』
以下略 AAS



31: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/03(土) 01:34:42.75 ID:GHTuQabuo
一方で、このみは当時を振り返って、それほど演技に悩んだりすることはなかったように感じた。
今の「娘」役ほど役の理解に時間を充てていたわけではなかった、というのはあるが、
その時間分だけ、共演する他の子の様子をみていたように思う。

役に対する向き合い方・関わり合いはその子それぞれで、
以下略 AAS



32: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/03(土) 01:37:57.95 ID:GHTuQabuo
このみは当時の自分を分析して、気が付いたことがある。
「自身が意識しないところで、自然と元大女優の立ち位置入り込めていたのかもしれない」、と。

きっとそれはコレットとモニカの関係性から刺激を受け、「演技」における関係性が深化した田中琴葉と周防桃子がそうであったように。
それがこのみが演じたシンシアにおいて思いがけず比重の大きい要素になったのかもしれない。
以下略 AAS



33: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/03(土) 01:38:34.75 ID:GHTuQabuo
>>32
×「自身が意識しないところで、自然と元大女優の立ち位置入り込めていたのかもしれない」、と。
○「自身が意識しないところで、自然と元大女優の立ち位置に入り込めていたのかもしれない」、と。


34: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/15(木) 20:50:02.87 ID:An8umD0so

しばらく経った頃、ドアが開く音がして、このみはそこで意識を物語から離した。

「お兄ちゃんちょっと……って、あれ。」

以下略 AAS



35: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/15(木) 20:51:15.27 ID:An8umD0so
「桃子ちゃん。プロデューサーならいま外に出てるわよ。4時は過ぎるって聞いてるけど……。」

「うーん、そっか……。」

このみは桃子が手帳を小脇に抱えているのを見つけた。
以下略 AAS



36: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/15(木) 20:51:56.84 ID:An8umD0so
桃子はテレビに映るコレット達の姿に目を向けた。

「『屋根裏の道化師』?」

「ええ。そうだ、桃子ちゃん。時間があったら、一緒に見ない?」
以下略 AAS



37: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/15(木) 20:52:23.72 ID:An8umD0so

んしょ、と可愛らしい声とともに桃子はソファーに腰掛けた。

「巻き戻そっか?」

以下略 AAS



38: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/15(木) 20:53:03.55 ID:An8umD0so
このみは桃子の言葉を聞いて、改めていま自分がこうしているのが不思議だな、と感じていた。
学生時代の頃からドラマなどの映像作品を見ることはしばしばあったが、まさか自分が出演する側になるとは思ってもみなかった。
それどころか、見知った仲とはいえその共演者とこうしてその作品を見返しているというのは、人生何があるかわからないものだ。
当時の自分であれば色紙とペンを持ってサインを頼むような状況だろうな、と。

以下略 AAS



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