30: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/03(土) 01:33:56.89 ID:GHTuQabuo
由緒ある劇場で、ある作品が発端となり起こった凄惨な殺人事件。
そして、事件により浮き上がる、登場人物たちの息遣い。
「屋根裏の道化師」は、とりわけ繊細な表現を要求される作品であった。
『コレット!良かった……。大丈夫だった?……ひどいこと言われたりしなかったわよね?』
『大丈夫です、シンシアさん。お気遣いありがとうございます。でも、すみません。少し、気分が……。』
『……無理もないわ。あんなことがあった上に、犯人だって疑われたんだもの……。』
物語の幕開けとなった殺人事件の関与を疑われた、劇場の新人女優コレットが取り調べから戻ってきた場面。
この場面含め、シンシアは比較的他の女優たちよりもコレットを気にかけることが多かったはずだ。
複雑で入り乱れた人間関係の中には劇中で明かされていない過去も多くあり、それらを経た登場人物たちの微妙な感情の機微を演じることの難しさは相当のものだった。
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