【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
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21: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/07(日) 23:09:06.00 ID:2s7Ltdwho

『もう行かなくちゃ。……本当の姿を知られてしまったら、私はもう此処には居られないの……。』

『ずっと言えなくて、ごめんなさい。……今まで、ありがとう。』

以下略 AAS



22: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/07(日) 23:10:14.30 ID:2s7Ltdwho
二人の関係性については理解が進んだが、当初引っかかっていた部分が解消されたわけではないのだ。
あともう少しで掴めるかもしれない、という感覚はあるのだが、一向にその先が見えてこなかった。

「……こういうときは、原点に立ち返って考えろ、よね。」

以下略 AAS



23: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/07(日) 23:14:10.33 ID:2s7Ltdwho
であるならばさらに前へとさかのぼる必要があるだろうとこのみは考え、開いていた資料を閉じて少しずつ因果の糸をたどっていく。
そして最後に行きついた場所はあの「屋根裏の道化師」の「シンシア」であった。
仕事の幅という意味だけでなく、このみ自身の経験としても大きく変化があった作品だと言えるだろう。
あの時は、どういう風に役と向き合っていただろうか?

以下略 AAS



24: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/15(月) 05:55:00.61 ID:6Cl8Fzkmo
事務室の中でも目を引くほど大きなガラス戸のついた書棚には、劇場のアイドル一人一人の営業用の資料をはじめとして、劇場内外の活動を納めた書類や写真、映像資料などが納められている。
劇場ができたばかりの時はまだ殆どものが納められていなかったが、劇場のアイドルたちが活躍して少しずつ棚が埋まっていくたびに、頻繁に部屋に出入りするこのみとして、嬉しく感じていた。

このみはそんな書棚から慣れた手つきで、棚の最下段にあったケースを取り出した。
ケースは透明で、ディスクの表面は真っ白で、黒の油性ペンでタイトルだけが記されていた。


25: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/15(月) 05:55:43.47 ID:6Cl8Fzkmo
青羽美咲もプロデューサーも戻ってくるのは16時以降になると聞いていたため、特段気がねすることはないだろう。
事務室内にはテレビを見るためのスペースもあり、そこでみることにした。
ここはアイドルが番組に出演するたびにソファが埋まるほどの盛況となったりもする。
まあ、アイドルだけで52人もいるのだから、溢れてしまうのも仕方のないことではあるのだが。
このみはテレビ台をあけ、再生機兼レコーダーの電源を入れた。


26: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/15(月) 05:56:39.74 ID:6Cl8Fzkmo

「えっと、イジェクトは……っと。」

実のところこのみがこの再生機を使うのは初めてなのだ。
と言っても、このみがこの手の機器に疎いというわけではない。
以下略 AAS



27: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/15(月) 05:59:37.35 ID:6Cl8Fzkmo
実は高木社長が「撮りためていたアイドル諸君の録画が……。」と数日間嘆いていたが、実は日頃からバックアップを欠かさなかった小鳥や美咲、律子たちのおかげで事なきを得ていたり。
あるいは、自前で劇場を持てたといってもやはり765プロは765プロということで、財政面的な兼ね合いから、
棚の目立たないところに置かれているゲーム機の再生機能でしばらく代用する手もあるという話が出て765プロゲーム部のアイドル達とひと悶着あったとかなかったとか。


28: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/15(月) 06:00:03.38 ID:6Cl8Fzkmo

少しだけ手間取りながら、このみは再生の準備を終えた。
再生ボタンを押しそうになるが、少しだけ踏みとどまって目的を確認する。

シンシアを演じたとき、どういう気持ちで演じていたのだったか?
以下略 AAS



29:抜けがありました ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/07/15(月) 06:00:47.34 ID:6Cl8Fzkmo
>>23>>24の間

一般にはまだ未発売だが、特典部分の事務所チェック用のサンプルが以前届いていたはずだ。
このまま考えていても、何か大きなものが得られるとは考えにくい。
このみは「屋根裏の道化師」の映像を見返すことを決め、事務室へと戻ることにした。


30: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/03(土) 01:33:56.89 ID:GHTuQabuo
由緒ある劇場で、ある作品が発端となり起こった凄惨な殺人事件。
そして、事件により浮き上がる、登場人物たちの息遣い。
「屋根裏の道化師」は、とりわけ繊細な表現を要求される作品であった。

『コレット!良かった……。大丈夫だった?……ひどいこと言われたりしなかったわよね?』
以下略 AAS



31: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/03(土) 01:34:42.75 ID:GHTuQabuo
一方で、このみは当時を振り返って、それほど演技に悩んだりすることはなかったように感じた。
今の「娘」役ほど役の理解に時間を充てていたわけではなかった、というのはあるが、
その時間分だけ、共演する他の子の様子をみていたように思う。

役に対する向き合い方・関わり合いはその子それぞれで、
以下略 AAS



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