195: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/05/08(金) 22:16:08.52 ID:9DhA16vx0
「……でも。」
張りつめそうになった空気のなか、彼はそう言った。
その声を聞いて、このみは顔を上げた。
彼はこのみの顔を見て、その言葉の先を続けた。
「でも、大丈夫です。……だって、このみさんは劇場のアイドルですから。
またこの場所で、あなたに会えるって、みんな信じてますから。」
思わず、このみは息が止まった。
たった一言。それだけで、不思議と胸のわだかまりが解けていくような気がした。
このみは、自分の中でたった一つだけ、足りなかったピースが埋まるような感覚があった。
それはきっと心の内で、ずっと欲しいと願っていた言葉だ。
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