エミリーが忘れた日
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93: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:27:45.02 ID:9pdDfgPfo
 
「……ヤマ、タナ……?」
「《ヤマトナデシコよ、エミリー》」
「《ヤマ、ト、ナデシ、コ?》」

おばさんのまねをして何度かくり返したあと、あたしにたずねてきた。

「ヨリチャン、ヤマトナ、デシコ?」
「やまと、なでしこ。 ……そうよ」

ゆっくり、お手本をするみたいにもう一度言ってあげる。

「きれいでつつましやかな日本の女の人のことをそう呼ぶの」
「《……きれいでつつましやかな……》」

エミリーはその後何度も何度も、忘れないように同じ言葉をずっとつぶやき続けていた。



「ヤマトナデシコ……」
ときどき、あたしをじっと見ながら。


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